【Python入門シリーズ①】Pythonとは?人気の3つの理由と特徴解説!

python入門

【Python入門シリーズ⓪】であるVS Codeの準備が整いました。 いよいよ今回から、Python言語そのものの本質に迫っていきます。

第1回のゴールは、「なぜAI・機械学習の分野でPythonが圧倒的な標準言語なのか」を理解し、コンピュータと対話するための最も基本的な構文をマスターすることです。

ここから学ぶ一つ一つの知識が、未来のAI開発の礎となります。

このシリーズの目次

このシリーズでは、プログラミングの基礎から始めて、最終的にはAI・機械学習の初歩までを体験できるような構成になっています。

  • 第0回: 開発環境の準備 (VS Codeで始めるPython環境構築) 
  • 第2回: 変数と型の扱い
  • 第3回: 基本的な演算子と演算
  • 第4回: 条件分岐の仕方
  • 第5回: 繰り返し処理でプログラムを自動化する
  • 第6回: 関数を作ってコードを整理整頓する
  • 第7回: 複数のデータを扱う「リスト」と文字列操作
  • 第8回: ライブラリでPythonの能力を拡張する
  • 第9回: ファイルの読み込みと書き込み
  • 第10回: Matplotlib入門!データをグラフで可視化する
  • 第11回: 画像データの仕組みとPillowでの基本操作
  • 第12回: 画像処理の基礎(フィルタリングと特徴抽出)
  • 第13回: 機械学習実践!AIによる画像分類に挑戦
  • 第14回: オープンデータの取得と前処理(データクレンジング)
  • 第15回: 実践データ分析!オープンデータから傾向を読み解く

なぜAI開発の言語はPythonなのか?

Pythonは汎用言語ですが、特にAIや機械学習の分野では「共通語」としての地位を確立しています。その理由は、この分野の研究と実装に最適化された、3つの強力な思想とエコシステムにあります。

1. 思想: シンプルな文法がもたらす「高速な試行錯誤」

AI開発の現場では、複雑な数学的アイデアやアルゴリズムを、いかに速くコードに落とし込み、実験・検証を繰り返せるかが重要になります。これを「高速なプロトタイピング」と呼びます。

Pythonのシンプルで可読性の高い文法は、このプロトタイピングに最適です。研究者が論文の数式をほぼそのままのロジックでコード化できるため、「アイデアを試す」という本質的な作業に集中できます。

2. 環境: 強力な「科学技術計算エコシステム」

Pythonの成功は、その背後にある成熟したライブラリ群(エコシステム)によって支えられています。特に、以下のライブラリはAI・機械学習開発における事実上の標準です。

  • NumPy: 高速な数値計算・多次元配列を扱うための基盤ライブラリ。
  • Pandas: データ分析や前処理に不可欠な、高機能なデータ構造を提供。
  • Scikit-learn: 古典的な機械学習アルゴリズムを網羅したライブラリ。
  • TensorFlow / PyTorch: ディープラーニング(深層学習)のモデルを構築するためのフレームワーク。

これらのライブラリが存在することで、開発者は車輪の再発明をすることなく、世界のトップ研究者たちが築いた土台の上で開発を始めることができます。

3. 実用性: 「研究から本番環境まで」一貫した言語

Pythonは、研究開発(Jupyter Notebookなどでの実験)から、実際のアプリケーションとしてサービスに組み込む「本番(Production)環境」まで、同じ言語で一貫して対応できます。研究用のコードを本番用に書き直す手間が少ないため、開発プロセス全体がスムーズに進みます。


最初のコード:コンピュータとの対話

それでは、VS Codeを起動し、ep1.py という新しいファイルを作成して、コンピュータとの最初の対話を始めましょう。新しいファイルの作成方法は「第0回」で解説しています。

標準出力関数 print()

コンピュータに何らかの処理結果を表示させるのが、プログラミングの基本です。Pythonでは、その役割をprint()関数が担います。これはPythonに最初から組み込まれている標準ライブラリ関数の一つです。

print("Hello, Python!")

これを実行すると、ターミナルにHello, Python!と表示されます。実際に以下のような画面になりました!

  • print関数名です。
  • ()の中には、関数に渡す情報である引数(ひきすう)を記述します。
  • "Hello, Python!"は、文字列リテラルと呼ばれ、コンピュータに「これは文字のデータですよ」と伝えるための記述です。

データ型への第一歩:文字列と数値

コンピュータに計算させてみよう!!

print()は、計算結果を表示することもできます。

足し算は + , 引き算は – , 掛け算は * , 割り算は / で書けます!

print(10 + 5)
print(100 - 20)
print(10 * 5)
print(50 / 2)

これを実行すると、15という結果が表示されます。

Hello,Python! のあとに 計算結果が出力されていますね。ちなみに剰余計算(余りは)%でかけます。

ここで重要なのは、"Hello, Python!" " " で囲んだのに対し、10 + 5 などの計算式は囲んでいない点です。

これは、Pythonが内部でデータの種類、すなわち「データ型」を厳密に区別しているためです。

  • "Hello, Python!" : 文字列 (string) 型
  • 10, 5 : 整数 (integer) 型

Pythonは動的型付け言語であり、プログラマーが事前に「この変数には整数を入れます」と宣言しなくても、代入された値から自動でデータ型を判断してくれる特徴があります。これが、コードを簡潔に書ける理由の一つです。

コードの可読性を高める「コメント」

他人が読んでも、未来の自分が見返しても理解できるコードを書くことは、専門的な開発において不可欠です。そのための最も基本的なツールがコメントです。

#を付けると、その行の#以降はプログラムとして実行されなくなります。

# この行はコメントなので、実行されません。

# さっきのプログラムコード
print(10 + 5)
print(100 - 20)
print(10 * 5)
print(50 / 2)

実行しても、# を付けた行は何も影響を与えません。 自分のコードが何をしているのかをメモしたり、一時的にコードを動かなくしたりしたいときに活用しましょう。

まとめ

お疲れ様でした!今回は、Pythonの人気の秘密を知り、プログラミングの超基本である3つのことを学びました。

  • print(): 画面に文字や計算結果を表示する。
  • " " : 文字を扱うときにはこれで囲む。
  • # : プログラムに影響しないメモ(コメント)を残す。

コンピュータに命令を出す感覚、少し掴めてきたでしょうか?

次回は、数字や文字などのデータを一時的に保存しておくための「箱」、【第2回 変数と型】について学んでいきます。ここから、いよいよ本格的なプログラミングの世界が始まります。お楽しみに!

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